歯科医が1人前になるまで・・・!
最近、開業医と話してると、若い先生への愚痴をよく耳にします。
「仕事が出来ない」と聞くのですが・・・
これは世の中の変化に伴う、教育の結果だと思います。
自分が卒業したての頃を思い出すと・・・確かに卒業と同時に診療をしてました。
学生時代に、一通り開業医としての、診療実践を積んで卒業・・・
即戦力の歯科医がどんどん生まれてました。
あの時代、全国的な歯科医不足で、直ぐに働ける歯科医師が必要でした。
ですから、5年生になると直ぐ臨床実習が始まり・・・
6年の夏までに終わらせるノルマ・・・治療症例や患者人数が決まってました
今では、学生が治療するなんて考えられません!
4年生まで教科書と模型実習しかしたことがない学生が、いきなり治療するんですから・・・
学生もドキドキですが・・・治療を受ける患者様もよく我慢したと思います。
それだけ歯科医院が少なかったので、患者様も助かってた
患者様も、どんなに時間が掛っても決して怒らず暖かい目で見守ってくれ・・・
我々学生へのリスペクトさえ感じることがあり、こんな僕でも、期待に応えようと必死でした。
本当に、良い時代でした。
僕も、そんな暖かい患者様に育てられた歯科医の1人です。
35年も前になりますが、今でも当時の患者様の事は良く覚えています。
決して真面目とは言えない学生だった僕は、ある日、飲み過ぎて臨床実習に遅刻!
気が付いた時には、患者様の予約から2時間も過ぎてて・・・
インストラクターはかんかんに怒って、普段から素行が悪かった僕は・・・
「お前、進級できないよ!」と脅され・・・内心冷や汗がドドッと・・・
この時、救ってくれたのが患者様でした。
「あの学生さんは、よく話を聞いてくれて優しいよ。あまり怒らないでやって下さい」と言って、
患者様は帰ったそうです。
インストラクターに「今回は、患者様に免じて教授には上げないでおく!」
「もう少し、信じて待ってくれてる患者様のことを考えろ!」と・・・
この言葉は、心の芯に刺さって・・・今でも、疲れてさぼりたくなると思い出します。
それに比べ、今の学生は大変です。
歯科医師が増えシステムが変わり、学生時代に患者様を診ることが出来なくなり・・・
技術を磨く場も、コミュニケーション能力を磨く場もありません
これからは僕達開業医が、1人でも多く立派な歯科医を育成しないと・・・
それが、お世話になった患者様や社会への恩返しに
衛生士の吉田が退職しました。
不器用だけど一生懸命で、心が暖かい素敵な衛生士でした。
長い間、ありがとう!
<博多駅から徒歩3分の深江歯科より>
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